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代表あいさつ

         代表 東海大学 教授 金子雅明
           東海大学 教授
           金子雅明

― QMS-H研究会 会長就任にあたって ―

 このたび、2025年度からQMS-H(Quality-centered Management System for Healthcare)研究会の会長を拝命いたしました、東海大学の金子雅明です。まず、前会長である早稲田大学・棟近雅彦先生が長年にわたり築いてこられた研究会の基盤、そして産学医の協働による数々の成果に、心より敬意と感謝を表します。棟近先生のご尽力の上に、私たちは次の一歩を力強く刻んでまいります。

 QMS(Quality Management System)とは,質のよい製品・サービスを組織的に提供し,さらに改善を行うための仕組み,仕事のやり方です.仕事のやり方を定めた業務手順書,実際に仕事をする人,仕事で使う設備やものなど,いろいろな経営資源から成り立っています.質のよい医療を提供し,さらに質を向上していくためには,病院などの医療施設においてQMSを運営し,組織的改善を進めていかなければいけないことは,近年では当然必要なことと認識されるようになってきました.また,質の高い医療の提供だけでなく,病院経営に貢献するQMSが求められる時代になってきていると考えています。

           私たちの研究会の特徴は、医療実務家と理工系の研究者が協働し、医療に適したQMSの形態を確立し,実証してきた点にあります。2022年、研究会メンバーである麻生飯塚病院が医療界で初めてデミング賞を受賞したことは、その実効性と再現可能性を社会に示す画期となりました。しかし、これは到達点ではなく通過点です。全国の病院にQMSを適切に根付かせ、安全で質の高い医療が当たり前に提供される社会と,健全な病院経営を実現するための方法論の確立を、私たちは引き続き目標としていきます。

           QMS-H研究は1期3年でこれまで6期が経過しましたが、新体制の7期目(2025~2027)では、次の重点方針に取り組みます。

  • 企画運営委員会を組織し,本研究会の中長期計画を具体化し展開します.
  • 病院の経営方針からQMS活動を有機的に連動する方法論を確立します.
  • 研究グループ(Gr)活動を一層,活性化して推進します.
  • 研究会で得られた研究成果を,広く世の中に普及・推進するための施策を実施します.
  • 上記の活動について関連団体・学会と連携を強化していきます.

QMS-H研究会は、医療の質向上を通じて安全・安心な社会づくりに貢献する「開かれたプラットフォーム」です。これまでの歩みを大切にしつつ、より実装志向・人材志向・社会志向へと進化させてまいります。皆さまのご参画とご支援を、心よりお願い申し上げます。

QMS-H研究会

会長 東海大学 金子 雅明

ビジョン

 QMS-H研究会は、医療現場の実情に適合したQMSモデル(医療版TQMを含む)を共同研究で創出し、各医療機関に“確実に根づく”導入・推進の方法論を確立することを直接目標としています。しかし、成果モデルの提示だけでは医療の質は広く向上しません。全国約8,000の医療機関にQMSを普及させ、各院が自律的に運用することが当たり前になる――この社会実装こそが、私たちの最終ビジョンです。

 QMSは、良質な医療を提供するためのプロセス(仕組み)と、質・効率を組織的に改善し続ける仕組みの両輪で成り立ちます。各医療機関が自らのQMSを運営できるようになれば、全国規模での質保証と継続的改善が現実のものとなります。

 このビジョン達成のため、私たちは二つの機能を統合的に運営します。

  • 研究開発(R&D)機能:医療に適したQMSモデル群の設計・評価、実装ガイドと成熟度指標の整備、ケーススタディの構築。
  • 普及・推進(Deployment)機能:教育プログラムと教材整備、院内展開の伴走支援、関連団体・学会との連携による標準化と横展開。

 とくに普及・推進については、(一社)日本品質管理学会 医療の質・安全部会をはじめとする関連団体・学会と連携し、モデルと実装知を“現場で使える形”で広めます。

     

研究会のあゆみ

 ・設立(2007年) 東京大学大学院工学系研究科(当時)の飯塚悦功氏が代表、早稲田大学理工学術院(当時)の棟近雅彦氏、東京大学大学院工学系研究科(当時)の水流聡子氏が副代表となり発足。約30名規模で、工学系研究者、7つの参加病院、産業界のQMS/TQM有識者が参画。 初期の焦点:業務の可視化と“日常管理”の確立 PFC(プロセス・フローチャート)による診療業務の可視化・標準化を中核に、 QMS教育体系/文書管理/POAM等の事故分析手法/内部監査/管理指標を順次整備。 多くの参加病院がISO 9001に基づくQMS構築を志向し、TQMでいう日常管理に重点を置いて発展。

 ・展開期(2020年前後〜):方針管理と医療版TQMモデルへ 確立した日常管理を土台に、病院の方針管理(経営目標の達成に向けた全院的仕組み)へと重心をシフト。 その取り組みの到達点の一つとして、創設期からの参加機関である**(株)麻生 飯塚病院が2022年にデミング賞を受賞**(医療界で初)。医療版TQMモデルの社会的有効性を示す節目となる。

 ・教育・普及(2010年〜) 医療安全管理者養成研修の要件を満たす**「医療の質マネジメント基礎講座(全14回)」を開講。2023年度時点で延べ6,545名が受講し、実装人材の裾野拡大に寄与。 研究成果と病院での取り組み事例は複数の書籍**として刊行(出版物一覧は「活動内容→書籍」をご参照ください)。

 研究成果と病院での取り組み事例は複数の書籍**(活動内容→書籍のセクションを参照)としてまとめ上げて出版しております.

参加組織

代表

  • 棟近雅彦(早稲田大学理工学術院 教授)

顧問

  • 飯塚悦功(東京大学 名誉教授)
  • 水流聡子(東京大学総括プロジェクト構築&大学院工学系研究科 特任教授)

参加病院(2024年3月現在)

研究者メンバー

  • 梶原千里(静岡大学情報学部 行動情報学科 准教授)
  • 加藤省吾(電気通信大学大学院情報理工学研究科 情報学専攻 准教授)
  • 金子雅明(東海大学情報通信学部 情報通信学科 教授)
  • 佐野雅隆(拓殖大学商学部 教授)
  • 下野僚子(早稲田大学理工学術院 経営デザイン専攻 准教授)
  • 田中宏明(清水建設株式会社)

参加研究室

研究会事務局(早稲田大学理工学術院棟近研究室内)

  • 担当:加藤,佐藤

協力団体

入会について

メリット

QMS-H研究会へのメリットと入会条件は,以下となります.1年間のオブザーバー参加枠も用意しておりますので,ご興味ある方は問い合わせフォームよりご連絡ください.

  • 研究会やGRに参加して,QMSの最新の取り組みや研究内容に関する情報を入手できる.
  • QMSに取り組んでいる病院の方々と知り合え,悩みや取組時の工夫を共有できる.
  • 他の病院の方々と一緒に,QMS推進の課題解決をおこなえる.
  • 医療QMS/TQMに関する大学研究者からアドバイスや助言をもらえる.
  • 医療の質マネジメント基礎講座に,割引価格で参加できる.

入会条件

  • 院長がQMS導入・推進に強い意欲を持ち,リーダーシップを発揮されること.
  • 共同研究グループ(GR活動)のうち,1つ以上に主体的に参加すること.主体的とは,GR活動のアウトプットを出すために,研究活動に参画することを指す.
  • 年度始めに,各病院のQMSの導入・推進計画書(重点課題実行計画書)を提出し,年度終わりにその結果を提出,および,最終成果シンポジウムで報告すること.
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