第1回 品質管理入門を始めるにあたって
QMS-H研究会関係者及びメルマガ登録いただいた皆様,こんにちは.QMS-H研究会会長の金子(東海大学)です.QMS-H研究会を広く世の中に知ってほしいとともに,本研究会のコアとなるQMS(品質マネジメントシステム)の本質を改めて確認する一つの機会を提供することを目的に,本号から会長ブログを始めることにしました.題して,「金子会長の品質管理入門通信-品質の本質から、医療と経営を考える」です.
品質管理というと,一般的には統計手法,QC七つ道具,改善活動,標準化,監査など,具体的な方法論や活動を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか.もちろん,それらは大切です.しかし,品質管理を学ぶ上で最初に確認しておきたいのは,品質管理の“品質”とは何を意味しているのか,ということです.
日常生活や企業活動の様々な場面で“品質”という言葉が使われていますが,ひとによってその使い方や捉え方が大きく異なるように見えます.品質管理の“品質”が何を意味するのか,どう捉えればよいかを改めてわかりやすく解説することが,本シリーズの出発点です.
もうひとつは,“管理”という言葉です.こちらも,多くの日本人は管理という言葉から締付け,統制,監視などをすぐにイメージしてしまい,良い印象を持っていないことが多いように思います.また,管理の一つの考え方・方法として,標準化がありますが,これも一般産業分野だけでなく医療分野も含めて,考えないマニュアル人間を作ることになるので標準化反対!ということをいまだに言っている人もいます.このような誤解を解き,管理の本質とは何なのか,そしてPDCAやプロセス思考,標準化など管理のための考え方はQMSの基盤となっていますが,それらがなぜ重要なのか,どのように自らの仕事や業務に適用すればよいかについて改めて,理解したいと思いました.
以上のことから,会長ブログの第1弾として,まずQMSの基礎編として「品質」と「管理」をそれぞれ取り上げます.その後,実践編として,実際に組織の中で品質管理活動をどのように導入し,推進し,定着させていくかを考えていきます.しばらくは,その入口として,品質について考える編15回を始めます.現時点(2026年6月末)では,品質編について以下の構成内容を配信したいと考えていますが,途中で変更するかもしれません.
- 第2回 品質とは何か-顧客,商品・サービス,組織の関係
- 第3回 品質の定義とその本質-要求や期待を満たすということ
- 第4回 品質の良し悪しを決める顧客は誰か
- 第5回 顧客ニーズの多様性と品質の相対性
- 第6回 社会的品質と利害関係者
- 第7回 顧客に“何を”提供しているのか
- 第8回 品質の“品”は“しな”ではない-顧客価値を考える
- 第9回 当たり前品質と魅力的品質
- 第10回 企画品質,設計品質,適合品質
- 第11回 業務の質,仕事の質,内部顧客
- 第12回 品質コスト-失敗をどう減らすか
- 第13回 守りの品質と攻めの品質
- 第14回 品質は経営・事業運営にどう役立つのか
- 第15回 品質とはコストではなく投資である
また,配信時期は毎週木曜午後1時としました.週初めの月曜だと忙しくて読んでいただける時間が取れないことが続いて忘れさられてしまう可能性が高く,逆に金曜だと週末休止モードに入る直前での配信となるため,読んでいただけないなどのリスクを考え,木曜午後1時としました.なお,配信する内容は,私がこれまで大学の講義や外部講演,他の研究会でのメルマガなどで作成した内容を再構成しており,必ずしもすべてが医療向けの記述になっていない部分があるかもしれませんが,ご容赦いただければと思います.また会長ブログは一方的に登録メンバーに流れていくことになるため,皆さまの反応が良くわかりません.フィードバックや何らかのコメント等ありましたら,今後も会長プログを続けていく励みにもありますので,ぜひお願いいたします.もし質問があれば,(間に合えば)次回以降のできるだけ早いタイミングでの配信の中で答えていこうと思っています.
次回予告:さて,次回は品質を考えるための最初の枠組みとして,「顧客」「商品・サービス」「企業・組織」の関係を取り上げ,品質がどのように決まるかを解説する予定です.ぜひ楽しみにしてください.