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2025年度QMS-H研究会シンポジウム 特別講演3題の概要

2026.03.23QMS-H 研究会 - リレーブログ

 2026年3月14日,西早稲田の早稲田大学理工学部において,QMS-H研究会のシンポジウムが開催されました。所属する病院,大学,大学の学生が1年間取り組んできた成果についての発表で,オープンで開催されています。当日は現地参加100名,オンライン参加100名と合計200名余という今までになく大勢の参加者で賑わいました。
 特別講演3題では,慢性期医療・急性期病院・先進的TQM実践の3つの視点から,医療における品質マネジメントの本質が示されたことで,非常に大きな刺激になりました。私なりに得たポイントを示すとこんなことになるでしょうか。
 ・慢性期医療の質とは,患者さんの価値に沿った変化を、安全に実現していくプロセスそのもの
 ・QMSは単なる仕組みではなく,組織を成長させ続ける“文化”として根付かせることが重要
 ・TQMとは単なる手法ではなく,現場の改善を積み重ねながら,組織文化として育てていく取り組み
 普段から考えていたことではありますが,非常に明確に話をしていただき,患者さんの価値に目を向け,組織を成長させ,同時に組織文化として育てることを肝に命じて活動したいものです。


1.進藤晃先生:慢性期医療の品質マネジメント,人生に伴奏する医療の確立に向けて:
 慢性期医療は、治療だけでなく、患者さんの生活や人生に寄り添いながら「状態の変化」を支えていく医療です。医療の質は、技術そのものではなく、患者さんが望む状態にどれだけ近づけたかで評価されます。そのためには、説明と同意を通じて患者さんの価値観を理解し、ともに目標をつくっていく姿勢(共創)が重要になります。また、医療は人が行う以上ミスは避けられないため、安全と質は個人の努力だけでなく、仕組み(QMS)で支えることが不可欠です。
⇨ 慢性期医療の質とは、患者さんの価値に沿った変化を、安全に実現していくプロセスそのものと言えます。


2.細田泰雄先生;地域の leading hospital としての役割を満たす病院づくり:
 本講演では、急性期病院におけるQMS(品質マネジメントシステム)の導入と発展の実践が紹介されました。QMSの導入により、業務の標準化・見える化が進み、人が入れ替わっても安全に医療を提供できる体制が整備されました。その後は日常管理から一歩進み、方針管理(目標と実行の連動)へと発展。各部署で課題・目標・方策を明確にし、PDCAを回すことで、組織全体の改善力が高まっていきました。
 特に重要なのは、
• 上位方針と現場の取り組みをつなぐこと
• 評価を曖昧にせず、次の改善につなげること
• 「やらされる管理」ではなく、自律的な改善活動にすること
 こうした積み重ねにより、医療の質やサービスだけでなく、組織文化そのもの(対話・連携・改善意識)も変化していったことが示されています。
⇨ QMSは単なる仕組みではなく、組織を成長させ続ける“文化”として根付かせることが重要である。

3.福村文雄先生;病院だからTQM デミング賞を通して見えたもの
本講演では、病院におけるTQM(総合的品質管理)の考え方と、長年の実践を通じた組織づくりが紹介されました。医療を取り巻く環境は、複雑化・高度化・人材の流動化などにより、従来のやり方だけでは対応が難しくなっています。その中でTQMは、患者中心・データに基づく管理・全員参加を軸に、組織全体で質を高めていくための考え方として位置づけられています。
 特徴的なのは、改善活動を単発で終わらせず、人材育成やキャリアの一部として組み込んでいる点です。全職員が改善を経験し、段階的に実践できる仕組みが整えられています。
また、物品管理などの具体的な改善(2S+3定)を通じて、業務効率の向上だけでなく、患者ケアに使える時間の創出や安全性の向上にもつながっています。
⇨ TQMとは単なる手法ではなく、現場の改善を積み重ねながら、組織文化として育てていく取り組みである。

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