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第20回医療の質・安全学会学術集会におけるパネルディスカッション

2025.11.15イベント報告

2025年11月9日(日)、第20回医療の質・安全学会学術集会において、「病院への質マネジメント導入・推進による効果とは何か?─導入事例からその効果と課題を探る─」をテーマとしたパネルディスカッションが開催された。本セッションでは、工学系研究者と医療現場による長年の共同研究の成果を踏まえ、QMS(Quality Management System)導入の効果を組織的に整理し、今後の発展方向を議論した。

冒頭、金子(東海大学)よりQMS-H研究会の歩みと参画病院の取り組み概要が紹介された。2007年発足以来、医療の質と経営の両立を目指して15年以上にわたり研究と実装を進めてきたことが共有された。続いて下野(早稲田大学)から、QMS導入の目的とその達成に向けた効果指標体系の検討結果が報告された。医療の質という抽象概念を、目的・活動・指標に分解して「見える化」することで、病院全体の共有目標として機能させる意義が示された。

埼玉病院の細田氏から、方針管理における指標活用とPX(Patient Experience)の導入効果が報告なされた。QMSによる標準化が病院規模拡大時のサービス品質維持に寄与し、さらに患者経験を起点とした改善が若手職員の主体性を高めると述べた。一方、大久野病院の進藤氏は、医療事故防止を出発点としたQMS導入が、業務効率化を通じて時間創出と慢性期医療の質向上につながる「好循環」を生んでいる点を強調した。また、全職員が自らの取り組みとして理解できる目標設定(例:「1日5分を削り出す」)の重要性が紹介された。

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